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日々のことあれこれ。 By 愛


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「あの日のように抱きしめて」新潟市シネ・ウインドにて

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映画を観るのが、休日の楽しみな時間となりました。映画をこよなく愛するお友達の影響が強いです。ブログでいろいろと教えて頂いて、こちらでも同時期に観ることができる映画には足を運んでいます。

私が大好きな小さな映画館シネ・ウインドがあります。支配人が大きな映画館では上映しないこだわりの映画を選りすぐり上映します。こちらのシネ・ウインドを初めて訪れたのはアンソニー・ホプキンス、ゲイリー・オールドマン、キアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダーが出演したコッポラの「ブラム・ストーカーズ ドラキュラ」。受験生だった15歳の時でした。日本人の石岡瑛子さんが衣装を担当していて衣装が素敵でしたね。東洋的な要素が散りばめられていました。私的に大好きなドラキュラはコッポラのドラキュラが一番好きです。

時を越えた愛が子供だった私には早かった記憶があり、めちゃくちゃドキドキした記憶を思い出します。その時のキアヌ・リーブスが一番好きでした。まだ大ブレイク前です。その時も一人。映画は友達と見たのは、なんと高校入学前のメル・ギブソンの「フォーエバー・ヤング」と高校時代のキアヌ・リーブス主演の「スピード」のみ。あとは親と3作見たくらいで、群馬時代も一人で映画は観ていました。一人映画、めちゃくちゃ好きみたい・・・。友達がいっぱいいるタイプではないし。映画も好き嫌いありますしね。

そういう私が、友達と映画を観終わった後に、いろいろと語る時間があったら面白いかも・・・って思えるようになりました。思いって変わっていくものですね。私の、どうでもいいとこ頭でっかち気質も少し丸くなってきたような気がします。

さて長くなりましたが、昨年の冬はポーランド映画の「イーダ」でした。モノクロームの世界が心に残りました。今回はクリスティアン・ペッツォルト監督・脚本「あの日のように抱きしめて」です。

戦争直後の1945年ベルリン。物語は顔を包帯で覆われた主人公のネリー・レンツとその女友達レネ・ヴィンターが乗る車のシーンから始まります。「イーダ」でもやはり車のシーンが印象に残っています。車で流れる音楽が重要な役割があります。

戦争をくぐりぬけて収容所から帰還したユダヤ人女性のネリーとその知人女性のユダヤ人レネ。そして妻をナチに報告して釈放されたドイツ人の夫ジョニーです。女性は収容所での地獄の日々である戦争の傷を心と体に負います。レネが連れてきた病院で、元通りにしたいという顏ではなく別人として生きるために別の顔に生まれ変わります。

現在はバーで働く夫、ジョニーを探して再会をします。ジョニーはネリーとは気づかずに元妻の残した財産を手にするために山分けにしようと別の顔になったネリーことエスターに持ちかけます。なぜ、気づかない?。別人の顔になったとしても・・・。

つきあいが長いと人の癖ってあります。歩き方、声・・・。そして映画にも出てくる筆跡。ふとした時の一瞬の仕草。抱きしめる感触や力加減、キスも。顏が例え違うとしても覚えている感触があるから・・・。ジョニーが自転車を運転してネリーが後ろから手を回して乗ります。後ろからの抱きしめ方も、ネリーだとわかるんじゃないのか・・・。抱きしめ方一つ、人それぞれです。違う人になりすましは難しいと思うのです。

顏が変わっても、最初は認めたくなくても気づいて認めざるをえないはず。同じ癖の人に出会うと、怖くなることってあります。確かに違う人なのに、癖が似ているって。声が似ていたり、ふとした仕草が似ていたり・・・。ものすごい衝撃になることがあります。

かつてナチに愛する妻ネリーの居場所を話しジョニーは釈放される。ネリーは収容所へ。その後の消息がわからないでいる愛したであろうネリー。彼女に似ている・・・と最初からジョニーは気づいていたのではないだろうか。でも最後まで妻が生きているとは認めないで、ネリーの財産を妻に成りすましてほしいとエスターに財産を山分けをするシナリオを描きます。そのためには、妻とは似ていないと認めない夫。妻は死んでいる・・・。そう思って自分の新しい人生を歩みたかった・・・のかもしれません。

ぎりぎりのぎりぎりまで・・・。気づかないふりをする・・・。映画ではラストのこの映画のテーマ曲でもある「スピーク・ロウ」をピアノはジョニーが、歌は声楽家だったネリーが歌います。このラストシーンで二人はどのように思ったのか。この後、二人が出した答えは、どう出たのだろうか・・・。気づかないふりをしながらジョニーはエスターをネリーだと認めざる得ない衝撃・・・。自分が生きるためには、ぎりぎりのぎりぎりまで妻の居場所を黙っていたと思うのです。自殺をしたレネが残した手紙。ネリーが逮捕される前に離婚届が出されていた・・・。ここまでの気持ちになるには、ジョニーはネリーとの生活を捨ててナチにネリーの居場所を教えた・・・。ジョニーにもきっと果てしない思いがあったに違いない。

でも映画では、一切ジョニーの気持ちは語られることがないまま・・・。

「愛」がこの二人にはあったはず。「愛」を人は裏切ることができるのだろうか。自分がもし、そうされたら・・・。ネリーのようにエスターという女になりきり愛したジョニーの前に出てくることができるだろうか・・・。

「スピーク・ロウ」をせつなく歌い上げるネリー。収容所でどれだけの地獄を見てきただろうか。この歌をピアニストだったジョニーが弾きネリーが歌い始める最後のシーンが、ずっと私の脳裏にあります。ジョニーとネリーは元の人生にはもう戻ることができない。お互い、別々の道を生きていくのではないか・・・。深く愛しあったあの時代は遥か彼方になるのではないか・・・。

お互いが過去と向き合い、新たな道を進んでいく。きっとネリーは自分自身で再生していくはず。ジョニーは、ネリーに対して気持ちがどう変化してくのだろうか・・・。結論は描かれないまま映画はTHE ENDです。

「愛」とはなんだろうか・・・。切ない「スピーク・ロウ」の歌詞と共に頭をよぎります。そうジョニー役のロナルト・ツェアフェルトは私と同い年。ネリーを演じたニーナ・ホスも同年代でした・・・。

また年月を経て見たら、感じた想いが変化するのではないかと思っています。



さて、友達のブログで教えて頂いた映画。新潟では上映されないかもしれないと思っていました。「ヴィヴィアン・マイヤーを探してみた」です。調べたら近日中に、シネ・ウインドにて公開。

今日、支配人に伺いました。来年の2月に「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」と「フリーダ」を二本立てで企画を練っているとのことです。楽しみにしていますと話したら、シャイな支配人は映画少年のような瞳をされていました。この映画館ができて今年で30年目。映画が始まる前に支配人が必ず挨拶をします。50年を目指して頑張りますと。存続の危機がありながら、なんとかここまで大変な時期を乗り越えながら運営されています。

私にできることは、この新潟の小さな映画館が無くならないこと。小さな力ですが、いろんな人生を映画で拝見できること。これからも、月一でできるだけ映画を観て行きたい・・・。そう思ったのでした。

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その前に新年最初の映画予定です。シネウインドにて「カプチーノはお熱いうちに」、「1001グラム ハカリしれない愛のこと」、「アンジェリカの微笑み」も観る予定。

「第3回 新・午前十時の映画祭」も観たい映画が目白押しです。
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by silentblue1669 | 2015-12-12 20:10 | アートな世界へ